広教ニューズレター Vol.42
情報端末を正しく使うために
学校と家庭で進める
情報モラル教育
長年情報モラル教育に力を入れてきた埼玉県越谷市では、子供と保護者がともに学ぶ情報モラル教育を行っています。 学校・子供・家庭が一体となった、情報モラル教育の進め方について、お話しいただきました。 | |
埼玉県越谷市教育センター指導主事 武田 純一(たけだ じゅんいち) 先生 |
武田 純一(たけだ じゅんいち) 先生
すべての先生が
正しい知識を
教えられるように
教材を活用
越谷市では、GIGAスクール構想以前から、情報モラル教育に力を入れてきました。携帯電話やネットの普及にともない、子供たちがネット上のトラブルに巻き込まれることが増えてきましたが、1人1台端末が入った今、情報端末は子供たちの日常の一部になっており、トラブルに関わる当事者の低年齢化も進んでいます。
このような状況だからこそ、子供が「被害者にも、加害者にもならない」ために、情報端末を正しく使えるようにしたい、自分で自分の身を守る力を育てたいと願っています。
しかし、情報モラル教育には教科書がありません。先生が個人的に持っている知識を頼りに教えたのでは、正しいことを教えられなかったり、個人差が出てしまったりする恐れがあります。すべての先生方が、正しい知識を教えるには、教科書的に使える教材が必要だと考え、「事例で学ぶNetモラル」を導入し、長年活用してきました。
子供を守るために
保護者にも
学んでもらう
Netモラルは、日々の授業の中で使っていますし、子供自身が自主的に学ぶことも増えてきています。休み時間やちょっとした空き時間に、子供たちは自分の端末でNetモラルを見て学んでいます。
この動画教材の特長は、短時間で本質を理解できる点にあります。子供たちにとっては、文字よりも動画での学習の方がわかりやすく、「こういう使い方をしていると、こんな危険なことが起きるかもしれない」と実感ができているようです。またNetモラルには多数の事例が収録されており、毎年新しい事例も追加されるため、時代に即した学びが可能です。
保護者の方々にも、学んでいただいています。子供にスマホを持たせるのは保護者です。だからこそ、情報モラルは保護者とともに学ぶことが欠かせません。越谷市では、学校の依頼に応じて教育センターが講師を派遣する出前授業を実施し、授業参観の機会などに親子で一緒に学ぶ取り組みを行っています。
テーマはSNSの使い方や課金の危険性など、学校の要望に応じて柔軟に対応しています。最近は「推し活」による高額課金問題がニュースになるなど、小学生のうちから様々なリスクにさらされている現状があります。実際、小学校からの依頼はが中学校よりも多く、「情報モラル教育を小学校段階からしっかりと行いたい」という学校現場の思いを、強く感じています。
出前授業では、Netモラルを活用しながら講義を行った後に、親子でいっしょに情報端末の正しい使い方やルールについて話し合ってもらうこともあります。保護者が一方的にルールを決めるのではなく、親子で話し合って納得できるルールを決めることが大切だと考えています。
越谷市では端末の持ち帰りも行っており、家庭でもNetモラルを視聴できるようにしています。クラウド型学習プラットフォーム「まなびポケット※」上でNetモラルが提供されているため、家庭でも手軽に、そして安全に活用できます。出前授業を受けて終わりにするのではなく、学校や家庭で継続して考えてほしい、出前授業をきっかけに、家庭でも学び続けてほしいと考えています。
※「まなびポケット」は、NTTドコモビジネス株式会社の登録商標です。
先生方にも
正しい知識を
学んでもらう
情報モラルは、子供だけでなく、教職員にも必要な知識です。最近、教育センターでには「著作権について知りたい」という先生からの相談もあります。たとえば「音楽会の様子をでYouTubeを流しても大丈夫か?」といった相談も寄せられていますが、著作権に関する誤解も少なくありません。正しい知識を持っていなければ、知らず知らずのうちにトラブルを起こしてしまうリスクがあります。
そこで越谷市では、先生方を対象とした研修でもNetモラルを活用しており、先生方一人一人が、情報モラルについて正しく指導できるようになってもらいたいと考えています。
情報端末は、正しく使えばとても便利な道具です。だからこそ、子供も保護者も先生も、正しい知識を持って、自分や他人を守る使い方ができるように、学校・子供・保護者が一体となって、情報モラルを育んでいくことが、これからますます大切になると思います。


