沼津市教育委員会
沼津市立第五小学校

1人1台+クラウド版Netモラルで
子どもたちが主体的に
情報モラルを学び始めた!

GIGAスクールに、
情報モラル指導は必要不可欠!
「禁止や制限をし、遠ざける」のではなく「善き使い手」を
育まねば

 「GIGAスクールの本格的な活用が始まり、情報モラルを指導する必要性がますます高まっています」とは、沼津市立第五小学校の原恵理子先生です。

 第五小学校では、どの学年、どの教科、どの単元でも、1人1台とクラウドを必要に応じて毎日使っています。グループで1つのGoogle スライドを共同編集したり、学級活動の話し合いや授業の振り返りをGoogle フォームで進めたり。端末も毎日家に持ち帰っており、宿題や自主学習などに用いているほか、市立図書館から電子書籍を借りて、端末で読書しています。

 端末やクラウド、ネットを使う機会が増え、子どもたちの学びが激変した結果、「しっかり指導しなければと感じる事柄が増えた」と、原先生は言います。

 たとえば、共同編集中に友だちのデータを誤って消してしまったり。友だちのファイルに、不適切なコメントを書き込んでしまったり。また、端末の持ち帰りを始めた当初は、「うちの子がYouTubeばかり見て困る。学校で禁止してほしい」との苦情が、教育委員会に寄せられたと、指導主事の加納真先生は振り返ります。

 しかし、「もう『禁止や制限による教育』の時代ではない」と、加納先生は強調します。

「そもそもGIGAスクール構想を国が推し進めたのは、学校で1人1台やクラウドを使って学ぶ経験を積み、大人になった時に仕事や学習で役立ててもらうためです。そしてデジタルシチズンシップを育み、情報社会の『善き担い手』になってもらうためです。

 今までのような、子どもを情報端末やネットから遠ざけたり禁止や制限をしたりする情報モラル指導では、大人になった時に苦労を強いられます。学校のプールで泳ぐ練習をさせてないのに、いきなり太平洋のど真ん中に放り出すようなものです。

 GIGAスクール環境の活用に、情報モラル指導は必要不可欠です。両輪で進めなければなりません」(加納先生)

事例で学ぶNetモラル 沼津市立第五小学校

沼津市立第五小学校

クラウド版を導入したら、子どもたちが主体的に学び始めた!
「先生が教える」から
「子どもが自分で学ぶ」へ

 沼津市では、以前から『事例で学ぶNetモラル』(DVD版)を全校に導入していました。しかし、「とてもいい教材なのに、先生方にはなかなか使ってもらえなかった」と、加納先生はもどかしさを感じていました。

 その状況が、今年、一変しました。GIGAスクールの開始に合わせ、1人1台環境が整ったタイミングで『事例で学ぶNetモラル』のクラウド版を導入したのが、きっかけでした。子どもたちが、自分の端末で、主体的に学び始めたのです。

「最初は教師が、『この動画教材を見て、勉強してみよう』と指示していました。問題やトラブルが起きそうだな、この指導をしておきたいなと感じた時に、『端末を開いて、この動画を見てみよう。見終わったらNetモラルCBT(※4択問題×10問のデジタル小テスト。低学年向けは2択×5問)で確認しようね』と、うながしていたんです」(原先生)

 すると、子どもたちに大きな変化が出始めました。『事例で学ぶNetモラル』クラウド版で、一人ひとりが自主的に学習し始めたのです。雨の日の休み時間に、授業のちょっとした空き時間に、そして自宅でも、子どもたちは暇を見つけては自分の端末で、動画教材を視聴しています。一人が見始めると、周りの子どもたちもつられて端末を開きます。先生が指示した以外の動画教材も、進んで視聴しています。NetモラルCBTで誰がどの教材で何点取ったか、先生画面では見えると知り、全問正解するまで何度でも取り組む子どももいます。原先生が「ゆっくりでいいよ」といさめるほど、子どもたちの学習意欲は急上昇しました。

「今までの情報モラルは、『先生が教える』ものでした。しかし、1人1台と『事例で学ぶNetモラル』クラウド版を手にしたことで、情報モラルを『子どもが自ら学ぶ』ようになってきたのです」(加納先生)

 端末を持ち帰ることで、「親子でいっしょに学ぶ」効果も出始めています。「子どもにうながされていっしょに見てみたら、とても勉強になった」との声が、保護者から寄せられています。「お母さんは大人なんだから、当然NetモラルCBTで100点取れるよね?」と求められ、四苦八苦した方もいるそうです。

 さらに子どもたちは、情報モラルを「学ぶ」だけに止まらず、「行動」し始めました。端末やクラウド、ネットを使う際の「ルール」を、自分たちで決めようと動き出したのです。

「『自分たちのルールを、自分たちで作ろう。みんなで話し合って考えよう』という動きが、各校で巻き起こりました。ある中学校では、生徒会が主導して学校全体の統一ルールを決めるという快挙も起きました」(加納先生)

 元々沼津市教育委員会では、「学校側が決めるルールや制限は、必要最低限にしましょう。人を傷つけたり、生命に危険が及ばない限り、なるべく自由に端末やネットを使わせてください」と、先生方に伝えていました。「子どもが失敗してもいい。失敗こそ、教育のチャンスであり、学ぶチャンス」と、考えているからです。

 実際、子どもたちは失敗しました。乱暴な言葉でコメントを書き込んでしまったり、家で長時間端末を使ってしまうこともありました。その結果、「これは何とかしなければ!」との強い危機感が、子どもたちに芽生えたのです。『事例で学ぶNetモラル』で、「正しい使い方・良い使い方」を学んでいたことも、子どもたちの変容を後押ししました。

 これこそまさに、新学習指導要領が求める、資質・能力です。

 子どもたちは、習得した「知識・技能」を用いて、「思考・判断・表現」してルールを作り上げました。自分で課題を見つけて解決しようとする、「学びに向かう人間性」を発揮しました。そして、より善い学級・学校づくりに進んで参画し、「社会の担い手」としても歩み始めました。「新学習指導要領やGIGAスクール構想が目指す理念に、この教材がぴったりはまった」と、加納先生は微笑みを浮かべました。

利用アクセス数全国1位の
沼津市が実感した
『事例で学ぶNetモラル』
の良さ

 本年度、沼津市は『事例で学ぶNetモラル』クラウド版のアクセス数で、全国1位を記録しました。その沼津市の中で、アクセス数1位に輝いたのが、第五小学校でした。(※第五小学校 2021年4月~12月 3751回アクセス)

お二方に、この教材の良さを挙げていただきました。

― クラウド版なら、1人1台で、子どもが学びたい時に学べる!

 原先生も加納先生も真っ先に挙げたのが、このポイントです。今までは学校に1つしかないパソコン教室でDVD版やサーバインストール版を使用していたため、「先生が、教えたい時に教える」ことしかできませんでした。

 しかし『事例で学ぶNetモラル』クラウド版を導入したことで、子ども一人ひとりが、学びたい時に、学びたいことを、いつでもどこでも学習できるようになりました。休み時間や授業の空き時間、そして自宅でも学べるのは、1人1台+クラウド版ならではです。

 Chromebookの「シェルフ」に『事例で学ぶNetモラル』クラウド版のアイコンを設定することで、低学年の子どもでも迷わずすぐに起動できています。

― NetモラルCBTに、子どもは心かきたてられる!

 動画教材を見て終わりではなく、確認用デジタル小テストのNetモラルCBTが付属しているのも利点です。「絶対に100点を取る!負けたくない!」と、子どもは熱心に取り組んでいると、原先生。

 広教が提供しているCBTを受講した子供に配布できる「CBT受講済みステッカー」を、誇らしげに自分の端末にシールを貼っているそうです。

事例で学ぶNetモラル 原先生

沼津市立第五小学校 原 恵理子先生

― 関連動画のサジェストで、学びが広がる!

 YouTubeなどの動画サイトでは、動画を見終わると、関連するオススメ動画が自動でサジェスチョン表示されますが、同様の機能が『事例で学ぶNetモラル』にも搭載されています。「子どもたちは、1つの教材を学び終えたら、続けてサジェストされた他の動画教材を見るのが習慣になっています」と原先生。おかげで、学びがどんどん広がっています。

関連動画サジェスト

― 1つ1つの教材がコンパクトでわかりやすく、短時間で学習できる!

 『事例で学ぶNetモラル』に収録されている教材は、どれも1本10数分で視聴でき、確認用小テストのNetモラルCBTも10分程度で取り組めます。だから授業のちょっとしたすきま時間や休み時間などにも、気軽に学べます。忙しい保護者でも、いっしょに学べます。

 ストーリー仕立てのアニメ教材なので、子どもの興味関心をひきやすく、わかりやすいのも特長だと、お二方とも語ってくれました。特に低学年にとっては、「こういうことをしてはダメ。こう使いましょう」という具体例を学べるので、自分の行いに反映させやすいそうです。

― 毎年アップデートされるので、指導したい事柄に対応した教材がある!

『事例で学ぶNetモラル』の内容は、毎年アップデートされ、最新のICT事情や課題に即した教材がどんどん追加されています。古い情報モラル教材だと、SNSやクラウドに関する事例が収録されていないといった不備も起きえますが、『事例で学ぶNetモラル』なら、そんな心配は不要です。「子どもたちが”今”直面している問題に合った教材があるので、とても助かります」(加納先生)

― 誰でも簡単に指導できるので、先生方も安心している!

 情報モラル指導が得意な先生もいれば、苦手な先生もいます。「ICT自体詳しくないので、情報モラルを子どもに教える自信がない」と悩んでいる先生もいます。「でも、この教材を使えば、誰でもすぐ、簡単に指導できます。ICTが苦手な先生でも大丈夫です。だから市内すべての学校で、活用が広がったのです」と加納先生は言います。

 文部科学省の情報モラル指導モデルに対応しており、「この教材使えば、国が求めている内容を一通り学べる」という安心感も、大きいそうです。

 最後に、加納先生はこう話してくれました。

「端末の持ち帰りを開始した当初は、『もし壊したらどうするんだ!』など、保護者から苦情の電話がかかってくることもありましたが、すぐになくなりました。『子どもが勉強で使うのならば』と、わざわざネット回線を引いてくれる家庭も出てきました。家庭がこれほど協力してくれたのは、端末を使って主体的に学ぶ子どもの姿を目の当たりにし、その成長を実感したからだと思います。

 家庭で気軽に学べる、親子で学べる『事例で学ぶNetモラル』クラウド版が、その一助になってくれました。もし端末を持ち帰るだけだったら、子どもは何をしていいかわからないから遊び、それを見た保護者は不信感を募らせていたかもしれません。これからも、1人1台とセットで、この教材を活用していきたいと思います」

事例で学ぶNetモラル 加納先生

沼津市教育委員会 学校教育課指導係長兼情報教育推進室指導主事 加納 真 先生